やりたいことがわからないとき、「自分探しの方法を知りたい」と思う方は多いのではないでしょうか。
私もこれまでに、どうすればやりたいことが見つかるのか悩んで、「やりたいことを見つける本」を読んだり、自分を知るためのセルフチェックをいろいろ試してきました。
でも、セルフチェックなどですぐに答えが見つかることはなくて、最終的には自己理解を深めていくしかないんだなと感じるようになりました。
たいていの「やりたいことを見つける本」にも、自己理解を深めるための方法が紹介されています。
この記事では、さまざまな方法を試してきた私が、「これは役に立った」と感じたシンプルな10の質問をご紹介します。
さらに、AIとの対話を活用して自己理解を深める方法についてもお伝えします。
やりたいことは「小さな気持ち」の積み重ねから見えてくる

いろいろな自己分析の方法を試してきて感じたのは、ひとつの「好き」だけを見つければ、それがそのままやりたいことになるわけではないということです。
多くの場合、やりたいことは、
「小さな好き」「得意なこと」「やらずにはいられないこと」「それをしているときの満たされる感覚」「ひとりでやるのが好きか、チームでやるのが好きか」など、
いくつもの小さなモチベーションの組み合わせでできています。
そのためには、過去の経験をふり返り、それにまつわる情報を洗い出していくことが、自分を知る一番の近道です。
とはいえ、今の時点で一番必要なのは、
「自分はこれから何をすればいいのか?」という次のステップかもしれません。
もし最終的なゴール(何になりたいか)が見つかればラッキーですが、まだはっきりしなくても大丈夫。
まずは“今この瞬間に、自分が充足感を得られる選択”をしていくことが、次のステップにつながります。
そして一歩進んだとき、新たな経験や気づきが加わることで、やりたいことの輪郭が少しずつ見えてくるようになります。
自分を知る10の質問|やりたいこと探しの出発点

ここでは、私が自分を知るのに役立ったと感じた10の質問をご紹介します。
どれもとてもシンプルな内容ですが、丁寧に向き合ってみることで、少しずつ自分の輪郭が見えてくるはずです。
正直に答えてみると、そこから感情や記憶がふっとよみがえることがあります。
「なぜそれが好きだったのか?」「なぜイヤだと感じたのか?」と振り返ることで、やりたいことのヒントが浮かんでくるかもしれません。
思いついたことを、いくつでも自由に書き出してみてください。
「ちゃんとした答え」でなくても大丈夫。モヤモヤした感情や、ふと思い出した出来事でも、すべてが大切な材料になります。
では、自分を知るための10の質問をどうぞ。
- 好きなことは何ですか?
やっていると嬉しくなったり、時間を忘れて夢中になれること。
小さなことでもかまいません。 - 得意なことは何ですか?
他の人より簡単にできることや、よく人に頼まれることもヒントになります。 - 何をしているときに充実感を感じますか?
「今、すごく満たされていたな」と思えるのは、どんな時間でしたか? - 子どものころ夢中になっていたことは何ですか?
遊び、習い事、空想など、なんでも思い出してみてください。 - やらずにいられないことは何ですか?
つい考えてしまう、見てしまう、やってしまうこと。
いつの間にか手が動いてしまうこと、目につくこと、耳につくものも。 - 成功体験・うまくいった経験を思い出してください。
そのとき、どんなことをしていましたか? どんな人と? どんな気持ちだったでしょうか? - 失敗体験・うまくいかなかった経験はありますか?
思った通りにいかなかったことや、挫折した経験など。
そこから得た気づきがあれば、それも書いてみてください。 - 自分に合っていた、居心地のよかった環境はどこですか?
職場、学校、習いごと、趣味のサークルなど。
人間関係や場所の雰囲気など、よかった理由も思い出してみましょう。 - 逆に、自分に合わなかったと感じた環境は?
なぜ合わなかったのか、苦手だった要素は何か、具体的に振り返ってみてください。 - これまでに時間やお金を多く使ってきたことは何ですか?
趣味や学び、こだわってきたことなど、子どものころからのことも含めて書き出してみてください。
答えは、ノートに書き出してもよいですが、上の質問をテキストファイル(Wordやメモ帳など)にコピーして答えを入力するのがおすすめです。
テキストファイルにしておくと、あとでAIと対話して自己分析を深めるときにも活用できます。
「パターン」や「共通点」に注目して答えを整理する

一通り質問に答えたら、今度はその回答を見返してみましょう。
共通するパターンや傾向、「なぜそう感じたのか?」という理由に目を向けていくことで、さらに深い自己理解につながります。
ここでは、そのための視点を3つご紹介します。
パターンを探す
書き出した答えをじっくり眺めてみると、似たような場面や状況が繰り返し出てきていませんか?
「成功したとき」「充実していたとき」には、共通する条件や雰囲気があるかもしれません。
たとえば、
- 一人でじっくり取り組める環境が整っていた
- 周囲に気を使わなくていい仲間がいた
- 期限や目標が明確で、自分のペースを保てた
さらに、「自分がよく評価される場面」や「自然と得意を発揮していた場面」にも注目してみましょう。
たとえば、
- 実は、誰かの話をじっくり聞いて整理してあげるのが得意で、いつも「話しやすい」と言われていた
- 細かいところに気づいて資料を整える作業が苦にならず、重宝されていた
- チームの中で、言葉にしづらい雰囲気を感じ取って、うまく調整役になっていた
「特別なスキル」ではなくても、自分では当たり前だと思っていることが、他の人にはありがたいことかもしれません。
そうした得意のパターンを拾い上げることで、自分に合った方向性や役割が見えてくるはずです。
なぜそれを選んだのか?
「好きだからやっていた」と思っていたことにも、深い理由が隠れていることがあります。
たとえばその「好きなこと」は、
- 誰かが褒めてくれたから?
- 安心できたから?
- ワクワクして楽しかったから?
選んだ背景をふり返ることで、「本当は何を大切にしていたのか」が見えてくることもあります。
また、夢中になった体験が「結果」によるものか「プロセス」によるものかも、大きなヒントになります。
- 結果が出たときに達成感を感じたなら、目標に向かって進むタイプかもしれません。
- 作っている時間、練習している時間そのものが楽しかったなら、「没頭」や「創造」がカギになるかもしれません。
感情に注目する
質問に答えていったとき、そこにはどんな感情がありましたか?
書きながら、「うれしかった気持ちを思い出した」「ちょっとモヤモヤした」「あの時は少しプレッシャーを感じたんだよな…」など、
ふんわりとでも湧いてきた気持ちがあったかもしれません。
たとえば…
- 「成功した経験」を思い出したとき、うれしさよりも“ホッとした”気持ちが強かった →期待に応えられて安心した?
- 「続かなかったこと」を書いたとき、「飽きた」というよりも“罪悪感”を感じた → 続けられないのはよくないという社会的な評価を気にしている?
- 「夢中になったこと」を思い返したとき、”楽しい”だけでなく、“安心できた”という感覚があった → 自分だけの時間や場所を大事にしている?
感情の動きは、頭で考えるよりも本音に近いのです。
質問に書いた答えに対して「自分はどんな気持ちだったのか?」とあとから振り返ってみると、
やりたいことの“奥にある動機”や、“本当に求めているもの”が見えてくるかもしれません。
AIで自己分析する方法

「自分を知るための10の質問」を使って、AIとの対話を通じて答えを整理したり、気づきを深めることができます。
自分では見落としていた視点や、さらに掘り下げるための問いかけを受けることで、自己理解がより深まるかもしれません。
ここでは、ChatGPTを使った簡単な方法をご紹介します。
興味がある方は、ぜひ気軽に試してみてください。
手順は次の通りです。
10の質問に答えを入力したテキストを用意
まず最初に、10の質問に自分の答えを書いたテキストを用意します。

テキストはあとでコピペして使うので、ワードでもメモ帳でも、メールなどでも何でも大丈夫です。
ChatGPTにログインする
ChatGPTにログインします。
<初めての方>
ChatGPTを使うには、まず以下の公式サイトにアクセスしてログインします。
Googleアカウントがあれば、数ステップで簡単に登録・ログインできます。
初めての方は「Sign up(サインアップ)」をクリックしてください。
あとは、画面の案内にしたがって進めればOKです。
有料版にすると最新のAI(GPT-4o)でのやりとりができますが、ここでは無料プランで十分です。
プロンプトを送って会話を始める
下記のプロンプトをコピーして、ChatGPTの新しいチャットに貼り付けます。
「(ここに10の質問と答えのテキストを貼る)」のところに、上で用意したテキストを貼り付けてください。
以下は、私が「自分を知るため」の質問に答えたメモです。
ここから自己理解を深め、可能であれば、やりたいことを知るヒントにつながる気づきが得られればと思っています。
この内容を読んで、気づいた傾向や共通点があれば教えてください。
また、深掘りしたほうがよさそうな点があれば、問い返してもらえるとうれしいです。
メモを全部使わなくてもかまいません。
あまり深追いしすぎず、今わかる範囲で自己理解が深まるような会話をお願いします。
””
(ここに10の質問と答えのテキストを貼る)
下記のような感じです。ご自分の答えを書いたテキストを貼るのを忘れないでくださいね。

全部入力したら、右下のを押すと会話が始まります。
うまく自己分析をするポイント
ChatGPTとの会話を通じて、自己分析を深めるためのコツをご紹介します。
- ChatGPTは「正解をくれる存在」ではなく、問い返してくれる相手だと考えてみてください。
会話を通して、自分の中の気づきを引き出すことが目的です。 - 最初に送る「10の質問への答え」には、気持ちやエピソードがある程度書かれていると、より深い自己分析につながります。
ただし、どうしても思いつかない質問には、無理に答えを書かなくても大丈夫です。 - ChatGPTから送られてくる深掘りの質問に答えていくことが、自己理解を深めるプロセスそのものになります。
- 自分から「この部分、どう思う?」と問いかけるのもおすすめです。
AIに丸投げするのではなく、気になる点に自分で注目してみると、よい分析ができるはずです。 - 何度かやり取りを重ねると、だんだん疲れてくるかもしれません。(私は3回くらいで疲れました)
その場合は一旦終わりにしてください。時間をおいてから再開するのもOKです。 - 会話の途中でわからなくなったり、混乱してしまったら、「少し整理したい」と伝えるのもおすすめです。AIがうまくまとめてくれることもあります。
実は、プロンプトを使わなくても、10の質問への答えを貼り付けて『どう思う?』とAIに聞くだけでも、意外と気づきが得られると思います。慣れてきたら、自分の言葉でどんどん問いかけてみるのもおすすめです。
また、今回はChatGPTを使った方法をご紹介していますが、普段からCopilotやGeminiを使っている方は、そちらでも同じように試せると思います。
※私はChatGPTをメインに使っているため、この記事内の説明はChatGPT前提になっています。
まとめ
自分を知るための10の質問と、AIを使った自己分析の方法をご紹介しました。
やりたいことがわからないときは、遠回りなようでも「自分を知ること」から始めてみてください。
小さな気づきや感情の動きに目を向けることで、少しずつ自分らしい道が見えてくるはずです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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