「今の職場、ちょっと辛くなってきたな」
「もっと自分を生かせる仕事ってないのかな…」
――転職したほうがいいのかな?でも、何がやりたいのかわからない。
そんなふうに感じている方へ。
実際に転職サイトを見ても求人はたくさんあって、選択肢が多すぎて、どれがいいのかわからないし、そのうち、「そもそも私は何がやりたいんだっけ?」と、ふりだしに戻ってしまう。
そんなことはないでしょうか。
実は私も、同じような経験をしました。
そこでこの記事では、やりたいことはわからなかったけど転職した私自身の体験をもとに、「それでも転職していいのか?」「どうすれば後悔しないのか?」を考えてみたいと思います
「やりたいことがわからない転職」は、よくある?

転職活動というと、「自己分析をしてから」「やりたいことを明確にしてから」といったアドバイスが目に入ります。
でも実際のところ、「やりたいことはわからないけど、今の仕事を続けるのはきつい」または「やりたいことはわからないけど、転職する必要が生じた」という方も多いのではないでしょうか。
私自身もそうでした。
でも私は「これがやりたい!」というものはなかったけれど、自分の生活全体を考えて「ここなら無理なく働けそう」と思える場所を選んだことで、結果的にのびのび働けて、自分の強みや得意なことに気づくことができました。
まず、そんな私の転職体験を簡単に紹介します。
「やめたいかも?」の感覚は大事にしたい
私が最初に転職を決めたのは、「この仕事、合わないかも…」という違和感をどうしても無視できなくなったときでした。
その後の転職は、契約終了や部署の閉鎖、定年など、外的な事情がほとんどでしたが――
思い返すと、どのときも心のどこかに「なんとなくの違和感」「このまま続けるのは辛いかも」という感覚はありました。
たとえば、「ぶっちゃけこの仕事つまらないな…」と思いながら働いていたこともあります。
あるいは、コロナ禍ではフルリモートでなんとかバランスが取れていたのに、その後出社日が増えたことで疲れがたまり、体調を崩しやすくなったことも。
その他の条件は恵まれていたので、すぐに辞めるほどではなかったけれど――
もしあのまま続いていたら、いずれは転職していたかもしれません。
まじめな人ほど、「このくらいみんな我慢してる」「もう少し頑張れば何とかなる」と、自分をなだめてしまうかもしれません。
でも自分のために、ぜひそうした小さな違和感を無視せずに拾ってあげて欲しいです。
それが、もっと自分にフィットする仕事に出会うための、第一歩になると思うのです。
やりたいことが見えなくても ― RASが引き寄せた私の転職体験

私も転職のとき、「これがやりたい!」という明確なものはありませんでした。
そのかわりに、「どんなふうに働けたら、自分らしくいられるか?」という視点から仕事を探しました。
優先したのは、音楽(ドラムとパーカッション)を続けられることです。
仕事探しの条件にしていたのは…
- 残業が少ないこと
- 休みが取りやすいこと
- もともと理系だけど、理系の仕事に違和感があったので一般事務を希望
つまり、仕事内容や給与よりも「自分の生活と”なんとなくの”感覚」を優先して選んだのです。
それが私に一番フィットして、生活全体として充足感のある選択でした。
でもその結果、選んだ仕事の中で自分の得意なことや強みにも気づけました。
「やりたいこと」を探したわけじゃないのに、「これは向いてるかも」「ここは自分の力が発揮できるな」という実感があとからついてきたのです。
「たまたまそうなっただけじゃないの?」と思われるかもしれませんが、実はこれ、脳のある仕組みが関係しているのかもと考えています。
私たちの脳には、「RAS(ラス)」と呼ばれる機能があります。
正式には「網様体賦活系」といって、日々入ってくる膨大な情報の中から「今の自分に必要なもの」を無意識に選びとってくれる、いわば“情報フィルター”のようなものです。
たとえば、「赤い車が気になる」と思ったら、やたら赤い車が目につくようになったり、
「また会いたいな」と思っていた人に、偶然スーパーでばったり会ったり…。
そんな経験ないでしょうか?
私の場合も、「音楽を続けたい」「無理なく働きたい」と意識していたことで、RASがその条件に合う仕事や環境を、自然とピックアップして教えてくれたのだと思うのです。
つまり、「やりたいこと」がわかっていなくても、自分らしさを大事にしようと意識することによって、脳が働いてくれていた。
それが、自分にフィットする仕事や、得意なこととの出会いにつながったのだと思います。
私には音楽をすることは自分らしさを取り戻す大事な時間で、その時間を守れる働き方を選んだのは、とても重要な選択でした。
(※RASについては、別の記事で詳しく書く予定です)
👉 私の転職体験はこちらで詳しく書いています
転職したいと思った時に考えるべきこと

転職したいと思ったとき、「まずはこれを考えましょう」といったチェックリストがネットにはたくさん出てきますよね。
どんな仕事がしたいのか、自分にどんなスキルがあるのか、10年後にどうなっていたいか?などなど…
でも、「やりたいことがはっきりしない」「自分にはスキルなんてない」と感じていると、そういうリストに取り組むのは正直しんどいものです。
(スキルについては、今働いているなら絶対何かのスキルはあるはずです!…その話はまた別の記事で)
ただ、やりたいことがわからなくても、「今の仕事をやめたい理由」や「今の職場が合わないと感じる部分」に目を向けることはできると思います。
ここを確認することは、転職の方向性を探るうえで、ぜひ押さえておきたいポイントです。
過去の職場だけでなく、学校やバイト、趣味のサークルなども含めて、苦手だった環境やしんどかった経験を一度棚卸ししてみてください。
- 合わないのは仕事内容?それとも職場の雰囲気?
- 今の仕事(あるいは職場)のどこがストレス?
- やっていて「違和感がある」と感じるのはどんなとき?
- 「こういう環境は無理…」と強く感じた経験は?
また、ネガティブな体験だけではなく、よかった体験を振り返るのもおすすめです。
「あの時は居心地がよかった」「みんなで〇〇したのは楽しかった」などがあったら、なぜよかったのか同じように深堀りするといいですね。
そうすると、新しい職場に望む条件が見えてくると思います。
自分がほんとうに大事にしたいものは何でしょうか?
「通勤がラクなこと」「静かな環境」「小さなチームで働けること」――案外、そういう素朴な条件こそが、自分らしく働くための大事な条件かもしれません。
どんなものでも素直な気持ちで認めて自分の“羅針盤”にすることが、次に進む第一歩になると思います。
おわりに
「転職したいけど、やりたいことがわからない」
そんなとき、どう動いていいのか迷ってしまいますよね。
でも実は、やりたいことは動いてみたら見えてきた、ということもあるのです。
もちろん焦って決める必要はないし、今の場所で見えてくることもあるかもしれません。
でも「もしかしたら、もう辞めるときなのかも?」と感じたら、その気持ちを大事にしてください。
この記事が、そんな迷っている方の参考になればうれしいです。
「やりたいことはまだ見えないけれど、好きなことのヒントを探してみたい」という方は、こちらの記事も参考になるかもしれません👇
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