マインドフルネスという言葉はすっかり定着し、心の安定やストレス軽減などに効果があるとして知られるようになりました。
実践している人も増えたし、「なんとなく気になる」という方も多いかもしれません。
初心者がマインドフルネスを始める方法として、よく紹介されているのが瞑想で、ボディスキャン瞑想や呼吸瞑想が有名です。
私は4年ほど前に、1日5分のボディスキャン瞑想を始めました。
始めたきっかけは、「人生を変えたい!」と思ったから。大げさに聞こえるかもしれませんが、ほんとにそう思ったのです。
でも続けていくうちに、半年ほどで効果を感じるようになり、今も続けていいます。
確かに、人生が変わったかもしれません。
そこでこの記事では、私が「1日5分のボディスキャン瞑想」を続けた結果についてご紹介します。
実は私はHSS型HSPで飽き性ですが、それでも続けられました。
また、HSS型HSPやHSP特有の悩みの緩和にも効果を感じたので、それについてもまとめています。
気になる方は、ぜひご覧ください。
- 瞑想って難しそう、と思っている方
- 1日どれくらい瞑想すればいいの? 30分は無理かも…という方
- どのくらい続ければ効果が出るのか知りたい方
- HSP・HSS型HSPで、マインドフルネスや瞑想に興味のある方
ボディスキャン瞑想をはじめたきっかけ

マインドフルネスの基本は、「今、この瞬間」に意識を向けて、目の前で起きていることを判断せずにそのまま受け止めること。
そのための方法として、まず勧められるのが瞑想です。
中でも、「ボディスキャン瞑想」と「呼吸瞑想」はよく知られています。
私が1日5分のボディスキャン瞑想を始めたきっかけは、茂木健一郎さんの『脳を鍛える茂木式マインドフルネス』という本でした。
この本のなかに下記のような内容があります。
茂木さんは思春期「今送っているのは仮の生活で、本当の人生は今ここじゃない別のところにある」という気持ちを抱きながら生きていたそうです。
そんな茂木さんは大学生活に行き詰まった時に、学生相談所を通じて、ありのままを受け入れる考え方(マインドフルネス)に出会い、そこから人生が変わっていったのだとか。
実は私も思春期からずっと「ここにいる私は本当の自分じゃない」と思っていました。
もし、ありのままを受け入れて人生が変わるなら、私もぜひ!と思いました。
これが、1日5分のボディスキャン瞑想を始めたきっかけです。
ボディスキャン瞑想の簡単なやりかた

私が当初挑戦したのは、マインドフルネスでは初心者向けとして知られる「ボディスキャン瞑想」と「呼吸に集中する瞑想」の2つでした。
朝と夜に5分ずつ瞑想しようと思っていました。
朝 … 呼吸に集中する瞑想(5分)
夜 … ボディスキャン瞑想(5分)
でも、朝の瞑想は続きませんでした。やっぱり朝はバタバタしていて、たとえ5分でも座って瞑想する余裕がない日が多く、結局やらなくなりました。
続いたのは、夜のボディスキャン瞑想。
夜、お風呂に入ってストレッチをしたあとを、瞑想の時間に決めました。
私が実際にやった手順は、こんな感じでした。
- あぐらで座って背筋を伸ばす
手は腿の上に置きます。上向きでも下向きでもOK。 - タイマーを5分にセットして、目を閉じる
- 呼吸を2〜3回して気持ちを落ち着けたら、体に意識を向ける
体を「スキャン」するように、頭から首、胴体へとゆっくり意識を下ろしていきます。
尾てい骨まで行ったら、右足の付け根から足先、左足の付け根から足先へとゆっくり意識を動かします。
足が終わったら、右腕から指先、左腕から指先まで。全身を一通りスキャンしていきます。 - スキャンしているときに、「目が疲れてじーんとしてるな」「胃が少しもたれてるかも」など、何か感じるところがあれば、そのまま受け止めます。
※何かを感じることよりも、「集中すること」が大事です。 - 雑念が湧いてきたら、「あ、今私は〇〇のことを考えているな」と自分に気づかせる
私たちは、同時に2つのことは考えられないので、そうすると自然に意識が「今ここ」に戻ってきます。
戻ってきたら、またスキャンを続けましょう。 - 何度雑念が出てきても、そのたびに引き戻します
この「引き戻す」行為が、マインドフルネスの練習になります。 - もしスキャンが終わって時間が余ったら、残りの時間は呼吸に集中します
吸って、吐いて。呼吸の流れに意識を向けてみてください。 - タイマーが鳴ったら、ゆっくり目を開きます
最初は、雑念が湧いても「いま自分が他のことを考えている」とは、そもそも気づけないことが多いです。
ぐるぐる思考が止まらなくて、気づいたら5分経っていた……「今ずっと考え事してたな」なんてことも、結構あります。
でも、それでもOK。
もし、「あ、今〇〇のことを考えてるな」と気づけるようになったら、それだけで十分すごい。
瞑想用の音楽もありますが、私は曲を聴いてしまったり、同じ曲に飽きてしまったりするので、なにも使わずスマホのタイマーだけでやっています。
……とはいえ、私もそんなにきっちりやってたわけじゃなくて、「とにかく5分だけ座って目を閉じる」くらいの、ゆる〜い感じで続けてました。
半年たったころから変化を感じた
ボディスキャン瞑想を始めて半年ほどたったころ、「あれ? 何か変わってきたかも」とふと思いました。
「何が」変わったのか、はっきりとはわからないけれど、以前よりも日常にしっかり根付いて生活している実感があって、落ち着いていられる時間が増えたような気がしました。
改めて、半年たった時点でどんな変化があったのかを考えてみると、こんなことがありました。
- 怒りを感じたり、ぐるぐる考え込んでしまうことがあっても、他のことを始めると気分が切り替わるようになった。 また、切り替えられるということから、「もしかしてこの悩み、そんなに大したことじゃないかも」と考えられるようにもなった。
- 「あんなことやっちゃった」「相手にこう思われたかも…」と不安になっても、「まあ、これも私だし、仕方ないか」と思えるようになった。
- そして、これが一番大きいのですが——
「今送っているのは仮の生活で、本当の人生は今ここじゃない別の場所にある」という感覚がなくなり、今ここにいる私が、自分自身なんだと感じられるようになった。
それまでの私は、理想の自分が未来のどこかにいて、そうなれないと幸せになれないし、今の生活も楽しめないような気がしていました。
でも、5分でも瞑想を続けたことで、「今の自分も、まあまあ悪くない」と思えるようになったし、日常にも楽しさを感じられるようになりました。
半年の時点でこうした変化を実感したことで、「もう元には戻りたくない!」という気持ちになり、さらに習慣として続けることにしました。
そして今では、始めてから4年以上が経ちました。
振り返ってみると、ほんとに人生が変わってきた気がします。
ひとつひとつの変化は小さくて、わずかな角度、進む向きが変わった程度かもしれません。
でも、その「わずかな角度」が積み重なっていくうちに、気づけば90度くらい方向転換して、まったく違う場所にいるような感覚です。
何がどう変わったのかを一つひとつ挙げるのは難しいのですが…。
たとえば、以前の私は「将来どうなるか不確かな状態」がとても不安で、なんとか安心できる材料を探してしまうところがありました。
でも最近は、確証がなくても「何とかなるかな」と待てるようになってきました。
また、不安な気持ちに襲われたときも、「ああ、今、不安なんだな〜」と気がつくだけで、いつの間にか気持ちが落ち着いてくることもあります。
そんなふうに、自分の感情とうまく付き合える瞬間が少しずつ増えてきました。
具体的な変化としては、離婚をしたこと、ドラムが叩ける防音室付きの小さな家を建てたこと、そして生まれて初めて「やってみたい」と思えることを始めたことなどがあります。
もちろん今でも、全然マインドフルネスじゃないな〜と思う瞬間はたくさんあります。
それでも、少しずつ積み重ねていくことで、大きな変化につながることを実感しているので、これからも1日5分のボディスキャン瞑想は続けていこうと思っています。
HSP・HSS型HSPの方へ|マインドフルネスの効果と注意点
私自身、HSS型HSPの気質をもっているのですが、実際にマインドフルネスを取り入れてみて、「これはHSPやHSS型HSPの人には、けっこう合ってるかも」と感じました。
マインドフルネスというスキルをもっているだけで、ストレスが軽くなって、自分らしさを保ちやすくなると思います。
そこで今回は、HSP・HSS型HSPの方にとってのマインドフルネスの効果と、始めるときに気をつけたいことをまとめてみました。
HSP・HSS型HSPにとってのマインドフルネスの効果
HSPの方は感受性が高く、無意識のうちに周囲からの影響をたくさん受け取ってしまう傾向があります。
そのせいで、自分の本当の気持ちや身体の状態に気づけなくなることもあるかもしれません。
でも、マインドフルネスを取り入れることで、「私は今こう感じているんだな」と、感情や身体の変化に気づきやすくなります。
そうすると、たとえ周囲からの刺激が強くても、自分の状態を把握してうまく対処できるようになり、ストレスの軽減にもつながります。
また、頭の中で思考がぐるぐる回っているとき、マインドフルネスによってその流れから一歩引いて、「まあ、しょうがないか」と思えるようになることも。
そういう小さな距離感が、気持ちを楽にしてくれる。
HSS型HSPの方の場合——たとえば私の場合ですが、パソコン作業をしていると集中しすぎて止まらなくなり、あとでどっと疲れてしまうことがあります。
そんなときも、作業を始める前に1分だけでも瞑想をすると、自分のペースに意識を戻せて、過集中を防ぎやすくなると感じています。
たとえ集中しすぎたとしても、早めに気づくことができます。
また、興味に突き動かされて衝動的に何かを始めたくなるときも、
「今、私はすごく抑えきれない感じで○○をやろうとしているな」と客観的に見られるようになるので、自分との距離感を持ちやすくなります。
ほかにも、いろいろな効果が期待できます。
もし少しでも気になったら、ぜひご自身のペースで、マインドフルネスを試してみてください。
HSP・HSS型HSPの方がマインドフルネスを始めるときの注意点
不安が強いと感じている方へ
「ちょっと不安が強いかも」「過去のことを思い出すとつらくなるかもしれない」と感じている方は、どうか無理せず、慎重に進めてください。
まずは、自分の心の状態にそっと耳を傾けてみて、もし不安が強くて難しいと感じる場合は、医師やカウンセラー、マインドフルネスの指導者など、専門家に相談しながら取り組むようにしてください。
いろいろなことが気になって集中できない方へ
HSPの方は、まわりの音や感覚が気になって、なかなか集中できないこともあるかもしれません。
そんなときは、「スキャンする」という意識の対象があるボディスキャン瞑想が比較的取り組みやすくておすすめです。
それでも難しいと感じたら、以下のような方法もあります:
- 歩行瞑想:歩きながら、足の裏が地面に触れる感覚や体のバランスに意識を向けます。
本格的にやる場合は自分の感覚に集中できるように、視線を落として外からの情報があまり入らないようにするなどしますが、もっとゆるくやるなら、風を感じたり、景色を味わったりしてもOKです。 - 音楽瞑想:ただただ、音楽を全力で味わいます。
音楽が好きな方には、特に向いていると思います。
呼吸瞑想がうまくできないとき
呼吸瞑想は初心者におすすめされる基本的な瞑想法のひとつです。
やり方は次のような感じです。
- 静かに座って目を閉じ、呼吸にそっと意識を向けます。
- 自然な呼吸にただ意識を向けます。無理に深呼吸をしようとせず、普段通りの自然な呼吸を続けます。
実は私はこの呼吸瞑想が得意ではありません。
意識して呼吸に集中をを向けることで、かえって呼吸が気になってしまい、うまく息ができなくなってしまうんです。
同じ問題に困ったという話とその解決法が、『サーチ・インサイド・ユアセルフ(グーグルのマインドフルネス実践法)』に載っていたのでご紹介します。
いっしょうけんめいやらずに、ただリラックスして、微笑んで、呼吸ではなく自分の体に注意を払うといいようです。
そうすると、リラックスして気がつくと息ができるようになる。
やろうとしないのが成功のコツだということです。
私も、練習していますがまだ成功してません💦もうちょっとかな?と思ってるところ。
成功のコツをつかむのは何度かやってみる必要があると思うので、「なんかしっくりこないな」と感じたら、無理に続けず、また別の時にチャレンジするといいと思います。
ボディスキャン瞑想や、「ただ目を閉じて、浮かんでくる思考に注意を向ける」ような方法に切り替えてみてください。
HSS型HSP|飽き性が気になる方へ
私自身は5分から始めて大丈夫だったのですが、「飽きちゃうかも…」と感じる方は、最初は3分から試してみてください。
それもハードルが高いと感じたら、「1分だけ目を閉じて静かに座る」だけでもOK。
一番いいのは、瞑想を習慣にしてしまうことです。
たとえば洗顔や歯磨きって、「今日は飽きたからやめよう」とはならないですよね。
それと同じで、瞑想も「やろうかな?さぼっちゃおうかな?」と考えることなく、自然に始められるようになると、続けられます。
やる気があるかどうかに関係なく続けられるくらいの、無理のないレベルから始めてみてください。
ただ、毎日同じボディスキャン瞑想を繰り返すと飽きてしまう…ということは私もあります。
そんなときは、呼吸瞑想や、出てくる思考をただ眺めるだけの瞑想など、やり方に少し変化をつけてみるのもおすすめです。
▼やる気に頼らず、自分のために続けたいことを簡単に習慣にする方法がわかります。
まとめ
今回は、私が1日5分のボディスキャン瞑想を続けてきた方法と、その効果についてご紹介しました。
正直、瞑想中に他のことをぐるぐる考えてしまうこともたくさんあります。
それでも、「とにかく続けてみよう」と思って続けてきた結果、半年ほどで変化を感じるようになり、
今では4年が経ち、「もしかして人生が変わったかも?」と思えるほどになりました。
1日5分だけのボディスキャン瞑想は、シンプルで短時間でも取り組める方法です。
マインドフルネスにちょっと興味がある方や、何か始めてみたいという方には、とてもおすすめです。
また、HSPやHSS型HSPの方にとっては、自分の状態に気づいて整えるためのよいサポートになると思います。
この記事でご紹介した注意点にも気をつけながら、ぜひご自身のペースで試してみてはいかがでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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