忙しい毎日を過ごす中で、気がつけば頭の中がいっぱいになっていたり、何かに追われるように生活していると感じたことはありませんか?
それこそ「今この瞬間」に目を向ける——マインドフルネスをおすすめする理由です。
マインドフルネスはシンプルながら、心と体に深く関わる力があります。
たとえば、自分の呼吸や感覚に意識を向けることで、ストレスを軽減したり、集中力を高めたり、気持ちを穏やかにしたり。
自分を取り戻す、小さなきっかけにもなります。
この記事では、マインドフルネスをこれから始めてみたい方に向けて、その基本的な考え方や始め方、日常への取り入れ方を、わかりやすくご紹介していきます。
マインドフルネスとは?

マインドフルネスとは、過去や未来ではなく、「今この瞬間」に意識を向ける心の使い方です。
忙しい日々の中で、自分の心や体の状態に気づく方法として、近年多くの人から注目されています。
たとえば、朝の慌ただしい時間に深呼吸をして気持ちを整えることも、立派なマインドフルネスの実践です。
また、ストレスや不安を感じたときには、「そのストレスや不安に意識を向ける」という行為自体が、心のケアになります。
難しく考える必要はなく、ただ立ち止まって、自分の呼吸や体の感覚に意識を向けてみる——それが、マインドフルネスの第一歩です。
マインドフルネスの基本的な考え方

マインドフルネスは、単にリラックスするための方法ではありません。
自分の気持ちや考え、体の感覚に「良い」「悪い」といった判断をせず、そのまま気づいてあげることです。
つまり、マインドフルネスを実践するうえで大切なのは、「評価しないこと」と「受け入れること」。
たとえば、イライラや悲しみが湧いてきたとき、それを否定せず、「今、イライラしているな」と気づいてあげる。
そうすることで、徐々に感情に振り回されることなく、深い感情とも少し距離を置いて向き合えるようになります。
実際には、これがなかなか難しいんですけどね…。
でも、「今、イライラしているな」と気づくだけでも、ほんの少し違ってくるものです。
マインドフルネス瞑想の始め方(初心者向け)
ではさっそく、簡単なマインドフルネス瞑想の始め方を見ていきましょう。
まずは、静かで落ち着ける場所を見つけてみてください。
毎日同じ時間に行うと、習慣として定着しやすくなります。
時間帯は、朝起きてすぐや寝る前など、リラックスしやすいタイミングがおすすめです。

私も朝と夜の両方で試してみたことがありますが、続いたのは夜でした。
朝はやっぱりバタバタしていて、たった5分の瞑想でも続けられませんでした。
簡単にできる瞑想の手順は次の通り。
ステップ1: リラックスできる姿勢で座るか横になります。床に座布団を敷いたり、椅子に背筋を伸ばして座ったり、自分が心地よいと感じる姿勢を選びましょう。
(私は床にあぐらで座ることが多いです。横になると眠ってしまうので、あまりおすすめはできません)
ステップ2: 目を閉じます。
ステップ3: 自然な呼吸に意識を向けてみましょう。
吸う息が鼻を通る感覚、肺が広がる感覚、吐く息とともに体がゆるんでいく感覚を観察します。
(吸って…肺が広がって…吐いて…体がゆるんで…と思いながら)
ステップ4: 途中で考えごとが浮かんできても大丈夫です。
それに気づいたら、「今、考えごとが出てきたな」と心の中で認識し、やさしく呼吸へ意識を戻します。
ステップ5: 最初は5分からでOK。終わったら、周囲の音や体の感覚に注意を向けながら、ゆっくり目を開けましょう。
雑念が湧いて、5分間ずっと雑念ばかり…ということもありますが、それでも大丈夫。
最初のうちは、他のことを考えていることにすら気づかないかもしれません。
でも、しばらくすると「今、考えごとをしている」と気づけるようになります。
(気づけるだけでも、ほんとうに素晴らしいことです!)
そうしたら、「今、〇〇のことを考えているな」と意識してみてください。
それだけで、思考とのあいだに少し距離が生まれます。
また同じ考えごとが出てくることもあります。
そんなときも、「あ、また考えてる」と気づいて、また呼吸に戻る。
その繰り返しです。
この繰り返しによって、「意識を戻す力」——マインドフルネスの“心の筋肉”が少しずつ鍛えられていくのだそうです。
こんなふうに瞑想を続けていくことで、「今」に集中する力が育まれ、
普段の生活の中でも、思考の渦や感情から少しずつ距離をとれるようになっていきます。
日常生活に取り入れるマインドフルネス

マインドフルネスは、特別な時間を取らなくても、日々の生活の中で実践できます。
たとえば、こんな感じです。
- ごはんを食べるときに、味や香り、食感に意識を向けながら食べる。
- 移動中に風や音、体の感覚に注意を向ける。
- 人の話を聞くときに、相手の話にしっかり耳を傾ける。
- お風呂に入っているときに、お湯の温かさや体の緊張のゆるみを感じ取る。
- 音楽を聴くときに、本当に集中して音を聴く。
こうした日常の行動を通じて、「今ここ」に意識を戻す習慣が少しずつ身についていきます。
なかでも特におすすめなのは、誰かと話すときに100%相手に集中することです。
人と話すとき、“私はこう思うんだけどな〜”と次に話すことを考えたり、“会議の資料を早く作らなきゃ”と次の予定が気になったりすることはありませんか?
でも、そうした気になることをいったん脇に置いて相手に集中すると、その人を大切にしているという気持ちがじんわり伝わって、自分自身にも心地よさが残ります。
「今日はあの人とちゃんと向き合えたな」と思えると、なんだか気持ちもすっきりするのです。
もちろん、100%向かい合っていることは相手にも伝わります。
よかったら、何かのときに試してみてくださいね!
呼吸法とマインドフルネス

呼吸に意識を向ける方法は、どこでもできる手軽な実践法です。
呼吸は、意識を「今」に戻すためのアンカーのような役割を果たします。
よく使われる呼吸法には、次のようなものがあります。
- 腹式呼吸:鼻からゆっくり息を吸い、お腹がふくらむのを感じながら、ゆっくり吐き出す。
- 4-7-8呼吸法:4秒かけて吸い、7秒止めて、8秒かけて息を吐く方法です。リラックス効果が高く、寝る前にもおすすめです。
- 3回の深呼吸:集中できないときやイライラしているときに。深呼吸を3回行うだけでも、気持ちがすっと落ち着きます。
例えば、イライラするときや、心配事が頭のなかをぐるぐる回っているとき、怒りが湧いてきたときなどに、まずは深呼吸を3回してみてください。
息を吸って吐くときに、鼻を通る空気の感覚を感じてみると、そこに意識が向いて落ち着きやすくなります。
いったん立ち止まって、感情と距離をおくきっかけにもなります。
…とはいっても、正直なところ私も、それだけですっきりとはいきません。
でも、そういうことが何度もあって、そのたびに深呼吸を試してみることで、少しずつ飲み込めるようになってきました。
ほんの1%ずつでも、何かが変わってくる気がします。
体を動かしながら実践するマインドフルネス

体を動かしながら行うマインドフルネスもおすすめです。
- マインドフルヨガ:ストレッチやヨガのポーズをとりながら、呼吸や体の感覚に意識を向けてみる。
- 歩行瞑想:歩きながら、足の裏が地面に触れる感覚や、体のバランスに注意を向けてみる。
- ストレッチ中の意識:ストレッチ中に、筋肉の伸びや緊張の変化を感じながら動いてみる。
この中では、歩行瞑想が特に知られていて、気軽に取り入れやすい方法です。
歩くときに「今、右足を出した」「地面を踏んだ」「右足に体重を乗せた」…というように、自分の動きに意識を集中していきます。
そう聞くと「なんだか難しそう…」と思うかもしれませんが、慣れてくると散歩やウォーキングのときだけでなく、通勤など外出の際にも“ついでに”歩行瞑想を実践する方もいるようです。
ふだん音楽を聴きながら歩いている方も、たまには何も聴かずに歩いてみると、新しい感覚が得られるかもしれません。
まとめ
日常に取り入れることが出来るマインドフルネスの方法をご紹介しました。
簡単にできるものばかりなので、ご自分にあったものを試してみてはいかがでしょう。
ひとつでも習慣にできるものがあれば、そこから何か変わっていくかもしれません。
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